Q.遺留分は放棄できますか?

私は父の遺言書に全面的にしたがい、遺留分の権利を主張するつもりはないのですが、放棄の手続きをすることはできますか?

A.相続開始の前と後で手続きに違いがあります。

遺留分の権利は放棄することも可能です。相続開始後であれば遺留分の放棄は自由なのですが、相続開始前に遺留分の放棄をするには、家庭裁判所の許可を得なければ効力がありません。

例えば、親の遺言書の案を兄弟に見せて回り、その時点では異論がまったく出てこなかったとしても、そのことをもって「遺言に文句を言ってこなかったのだから、遺留分放棄をする意思があった」などと主張することは困難です。相続開始前に遺留分の放棄が有効となるためには、家庭裁判所の許可がどうしても必要であるからです。

また遺留分の放棄は、相続放棄とは意味が違います。お尋ねの件では、あなたが遺留分の放棄をしても、お父様が遺言書を書き残されなかった場合には、あなたに法定相続分どおりの相続権が発生します。お父様が遺言書をつくらなかった場合にも遺産相続関係から離脱したい場合には、あらためて相続開始後に相続放棄の手続きが必要となります。