Q.遺言書で遺留分を無効にすることはできないか?

遺言書を書こうと思います。私は介護をしてくれた子にすべてをゆずり、他の兄弟には遺産をあきらめてもらいたいとつねづね考えておりました。そのまま遺言書にあらわせばいいものと思っていたのですが、介護をしなかった子らにも遺留分という権利があり、そのような遺言書は思い通りにはならないと聞きました。その遺留分という権利を認めない、と遺言書に書けばいいのでしょうか?

A.一方的に遺留分を奪うことは困難です。

結論から申しますと、「遺留分は認めない」と遺言書に書かれたとしても結果は同じで、遺留分の権利を奪うことはできません。

そもそも遺留分の権利は、相続人の中でも一定の近親者に法律が認めた「最低限の保障」です。法律が認めた「最低限の保障」ですから、それが失われる・無くなる・奪われるのを法律が認める状況というのは、きわめて限られております。

遺留分権利者の意思に反して、遺言書の記述によって遺留分が奪われるケースとしては、「推定相続人の廃除」が行われて、相続人としての資格そのものを失ったときが考えられますが、この廃除手続が認められるのは、推定相続人が被相続人(遺言者)を虐待していたなどの、特別な場合に限られます。仮に認められたとしても、その子に子供(遺言者から見て孫)がいれば代襲相続人となり遺留分の権利も持ちますので、この方法によっても「介護してくれた子だけに相続させ、他に一銭も渡さない」という希望はかなえられません。

しかし、お尋ねの件では、遺留分を奪うことが本当に必要なのかを再検討する必要もあるように思います。本当に一銭も与えないことが必要なのかどうか。介護をしてくれた子がかえって争いに巻き込まれることになりはしないか。もし、遺産争いを避けるという目的のために、「遺留分を奪えばよいのでは?」とお考えになったのであれば、もっと別の方法を考えた方がご希望に近い遺言書になるはずです。遺言書に詳しい行政書士に相談して下さい。